11月26日は股関節の構造と機能と靴の関係セミナーでした

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今回は股関節に焦点を当てて、構造からみっちりと学ぶセミナーでした。
体の中で最大の関節で、大きな荷重が掛かるにもかかわらず、大きな可動性を持っている関節です。
その分構造も複雑で、体重を支えるための構造と、動くための構造が複雑に絡み合っています。
前半2時間でひと通りのことを説明していただいた結果、皆さんぐったりとしてしまっていました。
後半は、股関節の動きが制限された場合におこる足のトラブルについてと、靴で出来る対処法を話しました。
みなさん普段の接客で見かける特徴的な歩き方や立ち方の原因と、靴で出来る対処法が分かって、興味津々といった様子でした。
中には、足底筋膜炎なのに、足に何をやっても治らないものの紹介もあり、充実した内容でご満足いただけたようです。

足の親指の突き指は簡単に起こるので注意が必要。原因不明の母趾の付け根の痛みになることも。痛みが無くなった後は全身のケアが必要。

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足の指の中で、真っ直ぐ伸びた状態でいるのは、親指だけです。他の指は、軽く曲げていることが通常です。
ですから、親指はちょっとぶつけただけで、突き指をしてしまっている場合があります。
足の小指をぶつけると、思わず顔がゆがむほどに痛いですが、突き指にはなりにくいです。
これからお話しするのは、スポーツの最中などの強い衝撃によるものではなく、日常の中で起こる突き指の注意点について説明します。

どんなときに突き指しやすいか

さて、靴を履いた状態で、日常生活を送っていると、足の親指の突き指を起こすことはありません。
突き指を起こしやすい状況は、足の感覚が鈍っていて、足がむき出しになっているときです。つまり、たくさん歩いて足が疲れている日に家に帰ってから。お酒に酔って家に帰ってから。そして、ビーチサンダルを履いて外を歩いているときです。

他の指より関節が少ない親指

初めに言ったとおり、外反母趾の場合を除き、親指は真っ直ぐな状態です。その理由は、足のほかの指よりも関節が一つ少ないためです。
真っ直ぐな指は、何気なくちょっとぶつけただけで、突き指になってしまいます。けれども、そのときは、小指をぶつけたときほど大きな痛みではありません。
そして、その後も、弱い痛みが静かに続きます。

やってはいけないこととやったほうがいいこと

きっかけとなった突き指の瞬間を覚えていない場合、原因の分からない嫌な痛み出しかありません。注意して欲しいのは、ぐりぐりと曲げてみたり、ひねってみたり、もんだりしないで欲しいのです。固定できるとなお良いのですが、難しいでしょうから、できる限りそっとしておきましょう。
こんなときに履くと良い靴は、底の返りの悪いくつです。しっかりした固い底という方が良いかもしれません。スニーカーよりも革靴や、スニーカーだとしても靴底のやや固いものを選んだください。革靴でも、つま先がとがって長い物は良くありません。また、女性の場合、ヒールは大敵ですので避けましょう。

どのくらいの期間が必要?

痛みが無くなるまでの期間ですが、手の指の軽い突き指なら2から3週間ですが、足の親指の場合は、軽いものでも1ヶ月はかかるものと思っておきましょう。

痛みが無くなってからするべきこと

そして、痛みが無くなった後もケアが必要です。
このケアは、足だけではなく、全身に対してです。なぜかというと、親指が痛かった間、歩き方が確実におかしくなっているからです。親指に体重をかけたからといって、痛みが強くなることは無かったとしても、痛みがあるところを無意識によけるように歩いてしまうはずです。その歩き方を1ヶ月以上も続けていたら、確実に歩き方にクセがついてしまいます。
そのクセを身体から取り除くために、専門家のアドバイス受けてストレッチを行うことをお勧めします。また、足についてしまったクセも、足の専門家による治療やアドバイスを受けることをお勧めします。

靴の学校921は、足のトラブルへの対処が出来る足と靴の専門家を育てるための学校です。

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木型を削ることを、学びの初期から行う理由

木型を削ること木型は靴作りにおいてとても大切な工程です。
メーカーであれ、個人であれ、靴を作る人にとって、オリジナルの木型作りには心血を注いでいるものです。
そうした工程ですから、靴学校ではたいてい、靴への理解がある程度進んでから行われています。しかし、921では、学びの初期から積極的に、木型の加工に取り組みます。

木型は靴の出来上がりをほぼ決定するといえます。

決定する要素は、雰囲気(又は佇まいと言ってもいいでしょう)、機能、履き心地などです。
では、921で、靴についてほとんど知識も経験も無いうちから、木型の何に取り組むかというと、履き心地の部分です。
どの部分を削ると、履き心地がどうなり、どの部分を膨らますと履き心地がどう変わるのか、ということを、繰り返し体験することで経験を蓄積します。

なぜ履き心地についてなのかと言うと、雰囲気と機能は、作ろうとする靴の完成イメージを持っていなくては取り組むことが出来ないからです。そのため、靴の学びの初期では取り組むことが困難です。しかし、履き心地は、これまで靴を履いてきた経験がありますし、痛い、ゆるい、快適など、履けば感想がわかるものです。

本来は、雰囲気、機能、履き心地の全てを同時に作り上げることが木型作りなのですが、いきなり全てを同時に取り組むのは難易度が高すぎます。これは、ある程度靴について学んだ後であっても同じことです。たいていの場合、靴学校の授業で1年間に学生が作ることの出来る木型は、1型か2型です。そのため、どうしても、失敗しないように慎重になってしまいがちです。すると、終わった後に残っているのは、木型という作品です。
本来手に入れるべきことは、うまくいかない状況に面した際、何が問題なのか、どういう解決方法があるのか、考えるための下地であり、それは経験と、そのときに使った生きた知識です。

もちろん、履き心地のための「削り」や「足す」といった作業も、見た目に影響を与えます。といことは、先ずは履き心地のための寸法変更をいろいろと行いながら、その結果靴の見た目にどう影響を与えるかということも経験的に学ぶことが出来ます。

最終的には、雰囲気、機能、履き心地を同時に考えながら作業できるようにならなくてはいけません。足の寸法に対して木型の寸法はどうするべきか、靴を作るために守らなければならないことは何かなど、製作と失敗と検証を繰り返しながら、自分自身の視野を広げ、木型という小さな製作物の曲線のつながりの中に、様々な意味をこめることが出来るように、積極的に知識と経験を増やしていきます。