足の親指の突き指は簡単に起こるので注意が必要。原因不明の母趾の付け根の痛みになることも。痛みが無くなった後は全身のケアが必要。

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足の指の中で、真っ直ぐ伸びた状態でいるのは、親指だけです。他の指は、軽く曲げていることが通常です。
ですから、親指はちょっとぶつけただけで、突き指をしてしまっている場合があります。
足の小指をぶつけると、思わず顔がゆがむほどに痛いですが、突き指にはなりにくいです。
これからお話しするのは、スポーツの最中などの強い衝撃によるものではなく、日常の中で起こる突き指の注意点について説明します。

どんなときに突き指しやすいか

さて、靴を履いた状態で、日常生活を送っていると、足の親指の突き指を起こすことはありません。
突き指を起こしやすい状況は、足の感覚が鈍っていて、足がむき出しになっているときです。つまり、たくさん歩いて足が疲れている日に家に帰ってから。お酒に酔って家に帰ってから。そして、ビーチサンダルを履いて外を歩いているときです。

他の指より関節が少ない親指

初めに言ったとおり、外反母趾の場合を除き、親指は真っ直ぐな状態です。その理由は、足のほかの指よりも関節が一つ少ないためです。
真っ直ぐな指は、何気なくちょっとぶつけただけで、突き指になってしまいます。けれども、そのときは、小指をぶつけたときほど大きな痛みではありません。
そして、その後も、弱い痛みが静かに続きます。

やってはいけないこととやったほうがいいこと

きっかけとなった突き指の瞬間を覚えていない場合、原因の分からない嫌な痛み出しかありません。注意して欲しいのは、ぐりぐりと曲げてみたり、ひねってみたり、もんだりしないで欲しいのです。固定できるとなお良いのですが、難しいでしょうから、できる限りそっとしておきましょう。
こんなときに履くと良い靴は、底の返りの悪いくつです。しっかりした固い底という方が良いかもしれません。スニーカーよりも革靴や、スニーカーだとしても靴底のやや固いものを選んだください。革靴でも、つま先がとがって長い物は良くありません。また、女性の場合、ヒールは大敵ですので避けましょう。

どのくらいの期間が必要?

痛みが無くなるまでの期間ですが、手の指の軽い突き指なら2から3週間ですが、足の親指の場合は、軽いものでも1ヶ月はかかるものと思っておきましょう。

痛みが無くなってからするべきこと

そして、痛みが無くなった後もケアが必要です。
このケアは、足だけではなく、全身に対してです。なぜかというと、親指が痛かった間、歩き方が確実におかしくなっているからです。親指に体重をかけたからといって、痛みが強くなることは無かったとしても、痛みがあるところを無意識によけるように歩いてしまうはずです。その歩き方を1ヶ月以上も続けていたら、確実に歩き方にクセがついてしまいます。
そのクセを身体から取り除くために、専門家のアドバイス受けてストレッチを行うことをお勧めします。また、足についてしまったクセも、足の専門家による治療やアドバイスを受けることをお勧めします。

靴の学校921は、足のトラブルへの対処が出来る足と靴の専門家を育てるための学校です。

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足と靴の専門店 ルッチェ

靴の学校921 開校記念セミナーを開催しました!!

このたび、靴学校921を開校致しました。
2018年4月より開始の本科の前に、靴関係者のためのセミナーからスタートいたしました。

前半2/3を医学博士で鍼灸師の町田雅秀先生にご登壇戴き、後半は靴学校921主催の、村山が登壇させていただきました。

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前半は下肢全体のつながりを知っていただくために、骨盤、股関節、膝、足首、足という下肢全体が一つのユニットとして働くことを話していただきました。
普段から臨床で患者さんの全身を診ているからできるお話も多数です。
上肢と下肢の構造的な違いや、上下の関節の相互影響の話しは構造を応用して考える上で大切ですから、何度も聞いて確実に自分の知識にしたい内容です。
活発な質問に講師も力が入り、前半終わって予定を30分オーバーしてしまいました。

後半は村山が、骨盤内の筋肉が固いと靴を履いたとき踵が抜けやすくなるという内容でお話ししました。下肢ユニットの、一番上と一番下という、普通には結びつかない場所に深い関連があって、このことに気が付かないでいると、何度もフィッティングする羽目になります。
参加された皆さんは、普段から靴の踵のフィットという難しい課題に取り組んでいるからこそ、まさか原因がそんな上の方にあったなんてと驚いていました。足だけ見ていてはたどり着けない答えの典型ですね。しかも、その対処法までお話ししたから、参加の皆さんの目の色も変わります。

結果的には45分以上予定時間を越えてしまいました。
骨盤から下肢全体は、本科のカリキュラムでは1年かけてじっくり学ぶ内容だけに、時間が足りなかったともいえます。欲張りすぎたとちょっと反省。

それでも尽きない熱は、セミナー後の懇親会まで続きます。
皆さん講義の延長で話しは大盛り上がり。
お酒も入って緊張がほぐれると、これまでに独学で勉強していたけれど、本やネットだけでは理解が進まなかったところの質問大会でした。
日々の疑問にも町田先生の丁寧な説明が返ってきて、皆さんに喜んでいただけたようで良かったです。

そんなに盛り上がったのに写真を撮り忘れてしまいました。残念。

 

最後に、初回のセミナーに参加してくださった皆様に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

木型を削ることを、学びの初期から行う理由

木型を削ること木型は靴作りにおいてとても大切な工程です。
メーカーであれ、個人であれ、靴を作る人にとって、オリジナルの木型作りには心血を注いでいるものです。
そうした工程ですから、靴学校ではたいてい、靴への理解がある程度進んでから行われています。しかし、921では、学びの初期から積極的に、木型の加工に取り組みます。

木型は靴の出来上がりをほぼ決定するといえます。

決定する要素は、雰囲気(又は佇まいと言ってもいいでしょう)、機能、履き心地などです。
では、921で、靴についてほとんど知識も経験も無いうちから、木型の何に取り組むかというと、履き心地の部分です。
どの部分を削ると、履き心地がどうなり、どの部分を膨らますと履き心地がどう変わるのか、ということを、繰り返し体験することで経験を蓄積します。

なぜ履き心地についてなのかと言うと、雰囲気と機能は、作ろうとする靴の完成イメージを持っていなくては取り組むことが出来ないからです。そのため、靴の学びの初期では取り組むことが困難です。しかし、履き心地は、これまで靴を履いてきた経験がありますし、痛い、ゆるい、快適など、履けば感想がわかるものです。

本来は、雰囲気、機能、履き心地の全てを同時に作り上げることが木型作りなのですが、いきなり全てを同時に取り組むのは難易度が高すぎます。これは、ある程度靴について学んだ後であっても同じことです。たいていの場合、靴学校の授業で1年間に学生が作ることの出来る木型は、1型か2型です。そのため、どうしても、失敗しないように慎重になってしまいがちです。すると、終わった後に残っているのは、木型という作品です。
本来手に入れるべきことは、うまくいかない状況に面した際、何が問題なのか、どういう解決方法があるのか、考えるための下地であり、それは経験と、そのときに使った生きた知識です。

もちろん、履き心地のための「削り」や「足す」といった作業も、見た目に影響を与えます。といことは、先ずは履き心地のための寸法変更をいろいろと行いながら、その結果靴の見た目にどう影響を与えるかということも経験的に学ぶことが出来ます。

最終的には、雰囲気、機能、履き心地を同時に考えながら作業できるようにならなくてはいけません。足の寸法に対して木型の寸法はどうするべきか、靴を作るために守らなければならないことは何かなど、製作と失敗と検証を繰り返しながら、自分自身の視野を広げ、木型という小さな製作物の曲線のつながりの中に、様々な意味をこめることが出来るように、積極的に知識と経験を増やしていきます。

ビスポークシューズの製作は相手の好みを知ることから-921のカリキュラムで出来ること

寸法を測り、注文者の木型から作る靴のことをビスポークシューズと言います。
15年ほど前にあった手製靴ブームで随分知られるようになった言葉です。

オーダー靴と言うと、広い意味ではパターンオーダーや、その他受注後に生産する靴全てを含んでしまうため、ここでは他と区別するためにビスポークシューズと言うようにします。

手製靴をカリキュラムの主柱に置く靴学校では、このビスポークシューズを作れるようになることが目標です。

当校のカリキュラムでも、大切な要素の1つとして位置づけているので、どんな流れで製作が行われるのか紹介していきたいと思います。

作る前に知っておくべきこと

ビスポークシューズは、何よりも先ず、注文者の好みを把握するところから始まります。

履いてきた靴を見て、履き心地の好みを聞いて、デザインの希望を確認します。
ここで言うデザインには、つま先の形をどうするかなど、形状についても含みます。
この後の採寸の際に必要な情報を、予め知っておくことはとても大切です。

注文者の描いている靴のイメージを把握することができれば、そんなに時間を掛けなくても構いませんが、この時点でどういう靴を作るかの方向性はある程度決まっていなくてはいけません。
ある程度というのは、ここで決まっていなくて良いこともあるという意味です。
把握しておかなくてはいけない項目はきっちりと確認しておかなくてはいけません。

情報の使い方

必要な情報を把握した上で、採寸を行います。
作る形が分かっていれば、足に木型のイメージを重ねながら採寸することが出来ます。
希望の靴の形状を作りやすい足か、作りにくい足か、作りにくい足なのであれば、どこかに無理が生じるわけですから、その部分について、より詳しく足を観察しておく必要があります。
又は、足にストレスが掛かるのが嫌いな場合は、足に無理を掛けずにその形を作ることが出来るのかどうかを考えなくてはいけません。

採寸するポイントは人によって様々なので一概には言えませんが、多くの箇所を予め採寸するポイントとして決めている人も居れば、数箇所しか測らない人も居ます。
当校では比較的少ない箇所の採寸で木型を作成します。
やってみて、必要な箇所を実感したら、増やしていけば良いです。
把握した注文者の好みに合わせるためや、足の特徴から、必要な箇所があればその都度必要な箇所を測れば良いと考えています。
そのあたりは経験によって自分のスタイルを作るしかありません。
初めから沢山の箇所を測ることを決めつけて教えられてしまうと、「こういう足のときにはここの部分の状況を把握しておく必要がある」ということを、自分自身の経験で積み重ねることができません。

情報不足の影響

たまに以前教えていたときの生徒から、顧客の木型の相談を受けることがあります。
これより先の工程になりますが、採寸して、木型を作って仮合わせをした後、木型に修正を加えます。
このタイミングで、どう修正したらよいのか分からないという相談を受けたことがあります。
その時に私が、この方の好みは?とか、普段はどういう靴を主に履いて、ご注文いただいた靴はどんな靴なのかを聞いても、把握していませんでした。(その当時私が教えていたのは木型ではありません)
相手の好みや普段の靴についてが分かっていないと、仮合わせのときに、製作者からすると、「ぴったりだな」と思っても、注文者からすると「きつい」という風に、感覚にズレが生じてしまいます。
そもそも、注文者の意向が採寸に反映されていないということですから、デザインはともかく、足入れ感について、うまくいかなくても仕方がありません。

まとめ

つまり、
「作るものは靴だけれど、足の寸法情報だけではうまくいかない」
「寸法情報を活かすには、事前に必要な情報を把握しておくことが必要」
「きちんと整理されたカリキュラムで、順序良く経験を重ねることが大切」
ということです。

靴と医学を結びつける学校とは?足と靴の学校921で学ぶこと

靴の学校というと、靴作りを教える学校と、既製靴の販売のための健康や医療知識のセミナーの、大きく分けて2つに分かれます。

既製靴販売のための健康医療セミナーは、商品知識を深めたり、接客トークに専門知識を活かすためのセミナーです。
靴作りは体験として取り入れていたとしても、それによってオリジナルの靴を作って販売するほどの技術習得はできません。
また、既製靴を調整するための簡単な材料加工のセミナーもありますが、それもまた数時間手ほどきを受けるだけでは、身につく技術も基礎の基礎と言ったところです。

靴作りを教える学校では、自分のペースで靴作りを学ぶところと年間のカリキュラムに沿って学ぶところの違いや、製法などの違いはありますが、目指すところは、自分の思ったとおりのデザインで靴を作れるようになるということです。
「思ったとおりのデザインで」というのが大事です。
あくまでも手製靴のテクニックが学びたいという人にはそれについてのみ取り組む学校も良いかもしれません。しかし、実際の現場において、足についてなんら不満やストレスを感じたことが無いという人はごく少数です。

では921ではどうかというと、「靴と医学」を教えます。
靴作りを通じて靴を学び、思い描くデザインを靴として完成させる技術を身につけます。そして、実際に治療をするという目線で身体について学びます。そのうえで、「靴と医学」を結びつけて考えることを教えます。
これが出来ることによって、足のトラブルだけでなく、姿勢が関わる全身の悩みに対して、足元から「靴」によって「健康」を提供出来るようにします。

「靴」と「医学」を結びつけるわけですから、靴が作れることと、医学的な知識があるということはその準備段階です。
当然、靴が作れるようになることが目的のほかの学校に比べてとてもハードです。

1年目で、この2つの基礎を身につけていただきます。
2年目ではそれらを基にして、靴と医学を結びつける考え方やその考えを形にする製作を行います。

1年目でも応用についてお教えしますが、技術と知識が伴う必要がありますので、カリキュラムの後半から少し取り組むことになります。

2年目では、靴作りについて、手製靴の高度なテクニックも身につけます。
たいていの靴学校ではこれが売りとなるでしょうが、921ではあくまでも学ぶ事柄の一つです。
ですから、授業の予定は授業内でこなし、授業外の時間は課題をこなしていただきますので、かなりの気合が必要になるでしょう。
のんびり自分の作りたい靴が作れるようになりたい人は、ほかの学校をお勧めします。

また、921の靴作りのカリキュラムについて、別のブログで、実際の靴作りを通じて紹介しています。
靴作りという、普通の生活では接することの無い技術について、具体的な製作工程を分かりやすく解説しているつもりです。
「アイデアから靴を作っていく」